3分でわかる！結婚式ムービーの音楽著作権

2023年3月29日2023年10月21日

結婚式ムービーを作成中のみなさま、音楽はもう決まっていますでしょうか？音楽はムービーの印象を左右するだけに、悩みどころであり、いろいろと想像するのは楽しみでもありますよね。
一方で、音楽を使用するにあたって、著作権に関する手続きと費用が必要だということを聞いて、気になっている方も大変多いのではないかと思います。「著作権ってよくわからない。。」「どんな手続きが必要で、費用はどれくらい？」この記事では、そんな疑問に出来るだけ分かり易く答えていきたいと思います。
先に結論から言ってしまうと、

・著作権のポイントは「複製権」
・手続きは式場経由でOK
・費用の相場は5,000円〜7,000円

となります。それでは一つずつクリアにしていきましょう。

著作権のポイント

ややこしく感じる著作権。ポイントだけをお伝えします！

著作権制度

著作権制度は、著作権者の利益を守る制度です。創作した著作物が利用されるときに正当な対価を得られることは、創作に携わる人たちを支えるためにとても大切です。
音楽について言えば、最近ではストリーミングサービスで楽しむことが一般的になり、著作権者に対価を支払っている感覚はあまりないかもしれませんが、制度趣旨を理解して、正しく対応する必要があります。

メディアの使用を断られることも！
心を込めて準備した結婚式ムービー、いざ式場に提出すると「すみません。こちらのDVDはご使用できません」ということも。その理由は、楽曲の著作権に関する手続きをできていなかったため。こうならないように、ポイントをしっかりと理解して事前に対応しましょう。

引用：ISUM

ポイントは「複製権」

結婚式ムービー作成において理解しておく必要のあるポイント。それは著作権に含まれる権利のひとつで、「複製権」という権利です。

第21条　著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
第63条　著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
著作権法

利用者側の立場から簡単に言えば、「勝手に複製（コピー）を作ったらダメですよ、許諾が必要ですよ」ということです。DVDなどのメディアに楽曲を収録する場合、この複製にあたります。そのため、適切な手続きを行って使用許諾を得たうえで、費用を支払う必要があります。

音楽を購入しても複製はNG
音楽CDやデータを購入しているにも関わらず、複製に際して手続きや費用が必要なことについて、あまり納得できない方もいるかもしれません。それについては「著作物である音楽そのものの著作権をあなたが有しているわけではない」ということを理解しましょう。複製権は著作権の中心的な権利のひとつです。

手続きと費用

それでは具体的な手続きと費用について見ていきましょう。

手続き

手続きと言っても、難しいことはありません。新郎新婦様は、会場（プランナー様）を窓口にして手続きを行います。具体的にやることは、会場に一般楽曲を使用したい旨を相談して、手続きをお願いすることだけです。会場は著作権団体に対して「ISUM申請」という手続きを行います。
もし会場で対応していない場合、ISUM申請の登録事業者を検索して依頼することができます。

ISUM申請のスキーム

引用：ISUM

費用

費用の相場感として概ね以下をご参考にしてください。

・ムービーの中に動画を含む場合：約7,000円/一曲
・ムービーの中に動画がない場合：約5,000円/一曲

費用の内訳は、（ISUM申請費用）＋（会場または代行業者の手数料）となります。
ISUM申請費用ついては、ISUMの「著作権料について」ページで確認することができます。
費用が高いと感じる場合は明細の提示を依頼して交渉したり、別の代行業者を検討してみてください。

手続き・費用が不要となるケース

手続きと費用について説明してきましたが、不要となるケースがあります。

著作権フリー楽曲の使用

著作権者が著作権を放棄している「著作権フリー」の楽曲があり、その場合は手続きや費用は不要となります。音楽にそこまでこだわりがない場合にご検討ください。
ただし「著作権フリー」を謳っていても、実際には著作権を放棄していない場合もありますので、必ずサイトの利用規約を確認してください。また「フリー音源」「無料」など様々な表現がされることがありますが、いずれの場合もサイトの利用規約をよく確認して理解のうえ、規約の範囲で利用するようにしてください。

「複製」を行わない場合

ここまで説明してきた手続きと費用は、複製権に基づくものでした。そのためDVDなどのメディアに楽曲を収録（複製）しなければ手続きや費用は不要となります。以下の方法で対応します。
・DVDは無音のムービーとして作成する
・DVDの上映と同時に会場で音楽を流す

この場合の留意点
・会場にて対応可能かどうか必ず確認
・当日のトラブルで上映が失敗する可能性がある
・無音のためDVDをそのまま保存用として使用できない

留意点を理解のうえ、会場とよく相談して進めましょう。

まとめ

以上、著作権のポイントと、手続きと費用についてご紹介しました。まとめは以下となります。